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それはすっと入るものだった。
風見は困った顔をしたまま、私を抱きしめる。私は驚きのあまり、あたふたして両手を風見の背中越しにゆらゆらする。
「風見?どこか痛いの?」
「ちーがうよ」
「じゃあ、なに?」
風見は私から少し離れて、玄関に座り込む。何だよ…。
ソワソワして隣に腰掛け、顔をのぞく。
「なになに。どうしたの?」
「亜子ちゃんの食べ友って彼氏?」
「え?女しかいないよ」
風見は目を合わせない。でも安心したみたいに、顔を手で覆って息をついた。
「どったの?」
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