精霊の里 ~時が止まった町~

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~ 水の里  時が止まった町~ まさにその言葉がぴったりの街だった 重い山の圧力で 胸がぐっと抑え込まれるような 深い山の色合いに 体のすべてが吸い込まれそうな 山の水をいっぱいに含んだ空気が 私の心をわしづかみするような そして あちらこちらに 様々な精霊たちが蠢いているような空気が漂っていた 古(いにしえ)の、そのまた古い昔からの 空気とともに精霊たちがそこに集える町 そこは 様々な感情を沸き立たせる町だった 私は 思いっきりそれらを含めた空気を吸い込んだ 凛として冷たい空気 凛として重い空気 凛として深い空気 を 私は何度も何度も吸い込んだ
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