精霊の里 ~時が止まった町~

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私の頭の中では そんな詩が生まれた そして スマホのメモに書き込んだ そのメモを私は小声でつぶやいた 中々いいじゃない 自己満足。。。 視界に何かが飛び込んできた うん? なに? 目の前に透けて見える何かがいる なんだか 少し大きめの薄青い虫・・・? いや 虫じゃない 小さな顔らしき物が 私の目の前でプルプルと動いている ふふ と笑ったような気がした 小さくてぼやけていて よく見えない 目を凝らして見つめる あなたの顔こわい 眉間にしわ寄ってるよ 「だれ?」 「霊よ」 「霊?  なんの?」 「なんの?って言われてもねえ」 目の前の虫まがいの小さな生物は たぶん精霊だと私は思った 顔を突き出して腰に手を当てている 少し小生意気な感じの精霊 だけど かわいい そんな小生物とまじめに話している私は 少しおかしいかな・・・ と、頭のどこかで考えていたのだが 精霊はパタパタと羽らしきものを揺らしながら言う 「私は水の精 ここは住み心地がいいの 昔から変わらないこの町は私たちが生きていける処なの」 私は聞く 「私たちって?」 精霊は言う 「たくさんの霊がここにはいるわ」 精霊は山の方を指さしてさらに言う 「山の精の中には悲哀の精もいるのよ ここは とても悲しい場所でもあるから あ、戦いの精もいるわね 遠い昔に置き忘れられた精ね」 そして、 精霊は悲しそうな顔をして言う 「昔は恨みの精もいたけど・・・」と。 私はいろいろ聞きたいと思って 次の言葉を言おうとした その時だった 4c3dc675-4f4d-40fa-875f-275615fad596
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