🎄貴方の為に🎄

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蓮司さんは組対に行ってからまた忙しくなった。 秀友会を追うのは極秘任務。 何をしているのかは 俺にも話せないみたいで。 それでも 鑑識として最近は手伝える事もあり 相談や依頼も増えてきた。 嬉しいな・・。 少しでも役に立ちたい気持ちは今も変わらない。 それにしても。 綺麗だなぁ。 つい足を止め イルミネーションに目をやる。 通り過ぎる人達も何処か楽しげで。 蓮司さんに出会わなければ こんな世界。 知る事も無かったかも・・。 ああ。いけない。 早く行かないと。 足を踏み出したその時ポケットの中の携帯が震えた。 「はい。」 「ああ。俺だ。悪い。ちょっとその・・。」 「わかりました。」 足を止め 晶は被せるようにそう言った。 電話の向こうで苦笑いを浮かべる想像の蓮司さんが 脳裏に浮かぶ。 「・・先を読むな。」 そう言って すまなそうに「ごめん。」と謝られた。 何で謝るんだろう。 「仕事ですから仕方がないです。それに 【予定】があっただけで楽しかったですから 謝らないでください。まだ外ですか?」 「ああ。」 「風邪引かないようにしてくださいね。」 「わかった。キャンセルの連絡はしておくから。 晶・・。」 「はい?」 「ごめんな。」 「だから・・。」 「わかった! また帰る時LINEする。」 「はい。気をつけて。」 プツッと電話が切れ 晶は携帯をポケットに仕舞った。
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