🎄貴方の為に🎄

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晶はスーパーから出ると うーん。と考え込んだ。 牛乳が売り切れで。 シチューを作るなら牛乳が無いとな・・。 この辺りで今の時間開いてるのはこのスーパーだけ。 どうしよう。 ああ。そうだ。 コンビニなら売ってるかも。 前のマンションは引き払い それでも慣れた 土地の方が迷わなくていいだろうと 蓮司さんは近くのマンションを買った。 貯金は取っておけと言われ お金は出させて 貰えなかったけど 家電と家具は一緒に買いに行き それには少し払わせて貰えて 自分の居場所を 自分で得た気持ちにもさせてくれて。 実家に愛着は何も無く 今ではここが地元の様な 気までしている。 蓮司さんに出会えた場所だから。 晶はパンパンのエコバッグを持ちながら歩を進める。 マンションに向かう途中にあるコンビニでも 牛乳は売り切れ。 店員さんに聞いたら 主婦のグループが 全部買い占め まだ補充が来ていないとの事。 何かイベントがあるみたいですよ。と言われて。 もしかしたらいつものコンビニにも 無いかもしれない。 急いで飛び込むように店内に入り 一目散に 牛乳が普段置いてある売り場へ。 ああ・・やっぱり無い。 ガックリと肩を落とし 店の外に出ると 晶は携帯を取り出してその場にしゃがみ込んだ。 どうしよう。 シチューを作るつもりで買った食材で何か他の料理。 でも。レパートリーはまだ多くないし いつもこれを作ると決めてからレシピを見て覚え 買い物をして作るから 応用が効かない。 鶏のもも肉で検索して。 うーん。 でもこれじゃクリスマスっぽくないし。 んー。 これもダメかな・・。 頭を抱えながら 必死に指を動かしていると 「・・何やってる。」 頭上から声がかかった。
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