そのおんな悪妻につき

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 CEO業は分かっていたが、2,3日家を空けるのもざらで、わたしは外に女がいようと気に掛けなくなった。    なにせわたしも不倫をしているのだから。    この浮気相手は旦那とは段ちのイケメンで製造会社の専務を任せられており、年齢的にも近く、話が饒舌でうまかった。    わたしたち夫婦に会話らしい会話がないのを尻目に、彼との逢瀬がわたしの人生のモチベーションとなっていた。  そうそう、彼も結婚しており、全くのW不倫だった。それでもよかった。旦那との冷えた関係に温もりを与えてくれたからだ。    ただ、不思議なことに旦那はこんな関係でも別居という言葉は生まれなかった。わたしはどっちでもよかったのに…。  わたしとしては、この長髪カバと別れたくて別れたくてしょうがなかったので、幾度かオブラートに包んで訊ねたことがある。  ―君とは別れたくない―    その言葉だけで、わたしは何も言えなくなりだんまりとなってしまう。そこには愛情があったのだろうか…。
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