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――夫婦に於いても不承不承の夜の営みは感情の圧殺である――
この言葉を考える。
本当だろうか?
感情の圧殺の根源は、冷めた夫婦関係の間隔の隙間に生まれるものではなかろうか。
性の不一致ではなく、人間と人間のすれ違い…。
愛人から連絡があった。
「一緒になってくれ」
妻とはもうやり直すことは万が一にもない。だから明日いつもの喫茶店で待っている。7時くらいなら、会社からも出られるし、そこから直帰ってことにするから、会ってくれないか。
わたしは、その電話を受けた時、心が躍り、もうすでにあげたミドリガメのエサを再度やり、こけしの頭を撫でた。
明らかにミドリガメは苦しそうになった。
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