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はじめに
「これから先どうなるのだろうか……」
私は名前は桐島望実高校1年生で神奈川県の田舎でも街でもない浦川という街に住んでいる。
橋を1つ渡れば東京に行ける利便性があるがこの橋を渡るかどうかで地価や物価がだいぶ変わってくる。
これまで望実は特に勉強が出来るわけでもこのスポーツに突出している訳でもない普通の女子校生である。趣味で何かに熱中していることもなく、なんとなく毎日を過ごしていた。
高校はどのように選んだかと聞かれるとこのように答える。制服がかわいかったから。
数年前、この鎌谷女子高校の制服はワンピースのようなセーラー服で全国からも一目を置かれていた。水色にリボンが白色で神奈川県、川を渡った東京都からも多くの入願者がいるのではなく、学力や部活動で強豪で募っているわけでもないのに毎年全国各地からこの学校に入学したいと受験する女の子は多い。テレビやSNSで紹介されると学校に寮を作って欲しい、入学出来なかった生徒は卒業生から制服をもらえないかと願い出る人すらいる。
さらには学園系のドラマではこの鎌谷女子高校の制服をモチーフにした制服が使用されてワンピースのようなセーラー服が流行った。
この「セーラーワンピ」は流行語にもなり、女子校のみならず全国の高校が取り入れるようになる。そして鎌谷女子高校はセーラーワンピのパイオニアとして常に女の子の的となっていた。
望実もまた女の子にありがちな理由で周りに住む年上の女の子たちがそのような理由で高校を選ぶなんて、そう思っていた自分がまさか同じ様な理由で高校を選ぶことになるとは小学生の自分が聞いたらなんというのか。きっと同じ理由かよと言うに違いない。
望実の通う鎌谷女子高校は家から電車で20分と遠くもなく近くもなくで通いやすく、周りには商店街や商業施設、アミューズメント施設と生活をするにしても遊びに行くにしても絶好の立地といっても過言ではない。
入学式、同じ中学校から高校に進学した友達もいなければ周りからもそういった話は全く聞いておらずきっと1人だろう……。
どんな友達と出会えるのだろうか、その一方、女子校で孤立したり酷いイシメに遭うのではないかと期待と不安を抱いていた。
クラス名簿が体育館の外に貼ってあった。だが体育館に入るとどこに座っていいか分からずにいて座っている女の子に声をかけた。
「あの……すみません。どこの椅子に座ったらよろしいですか?」
「そうだね……。よく分からないし隣が空いているからよかったら隣に座って、式が始まるまで少し喋ろうよ」
望実はありがとう。初めまして桐島望実です。
こちらこそ初めまして川本咲希です。よろしくね。
2人で少し喋っていると入学式が始まった。
1時間後、入学式が終わり咲希ちゃんと喋っていると東京でも有数なオシャレな街に住んでいると聞いてまさに名前に相応しいお姫様、令嬢のような感じで性格や住む世界も真逆で仲良くしてくれるのかと不安になっていた。
それに比べて望実は勉強も出来るわけでもなく、運動が出来るわけでもなくてこれといった趣味もない。
住んでいる所は神奈川の田舎でも街でもないような所に住んでいてさ。咲希ちゃん、こんな私だけど仲良くしてくれる?
勿論だよって言って欲しい反面、あなたと住む世界が違うのよと突き放されるのではないかと怯えていた。
咲希は望実にこう言い放った。
それがなにって感じ。勉強や運動が出来なきゃ友達になれないの?
それに住んでいる所なんてそれぞれ違うよ。昔からオシャレな街に家があるからってお姫様とか令嬢だとか言われ続けていてそれがイヤで近くの高校に行かず、この学校に進学しようと思っていたから望実ちゃんの様に普通に接してくれる友達が欲しかった。
望実は驚いた。咲希ちゃんは天使なのか、ホントに姫なのかこんなに自分に優しく接してくれる人がこの世にいるのかと思っていた。
咲希ちゃん、よかったら連絡先交換しない?
こちらこそ、望実ちゃんと仲良くなりたい。そうだ、学校終わったら一緒にどこか出かけようよ。
いいよ、でも私この辺りのことよく分からないから咲希ちゃん案内してくれない?
望実ちゃんゴメン、東京に住んでいるけれどこの辺りのことよく分からないから何があるか2人で発掘しようよ。
2人で発掘って面白そうだねと話していると担任の先生がやって来てみんなが着席し、この日は簡単な自己紹介と翌日以降の流れを説明を受けてお昼頃には学校が終わった。
望実は咲希ちゃんと共に学校を出てひとまず商店街に向かうことにした。
趣味もなければ勉強、運動も普通の桐島望実と趣味多様で誰もが憧れる才色兼備の川本咲希と真逆の2人がこの先どうなるのか?
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