第4話『商店街は罠だらけ!?』

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第4話『商店街は罠だらけ!?』

○道路(山村家・前)(朝)    山村家の玄関から山村沙羅(16)が駈け出してくる。路上で駆け足する沙羅。 沙羅「遅刻するよ、鳴」    若柳鳴(16)、眠そうにあくびしながら出てくる。    鳴の後ろにお弁当の包みを持った山村布由子(41)。 布由子「鳴ちゃん、お弁当」    布由子からお弁当を受け取る鳴。    ×  ×  ×    走り去る沙羅と鳴。 沙羅「行ってきます!」    路上で手を振る笑顔の布由子。     ○帯屋町高校・正門前(朝)    車道には車が行き交い、歩道には登校する帯屋町高校の生徒達。    正門の前で待つ坂東響紀(16)、ソワソワしている。    見上げた校舎の壁掛け時計、八時一〇分を指している。    歩道の植え込みの影から、秋内千華(12)が坂東を見つめている。 千華「ぷーくすくす。坂東響紀。間抜けそうな顔ね」    千華、植え込みの影から出て坂東に近づく。 千華「千々(ちち)演舞場の支配者がすぐ側にいるとも知らず」    さらに近づく千華の影。坂東、気付かず(鳴と沙羅に)手を振る。 坂東「鳴、沙羅。急いで!」    千華が坂東の側に近づく。    千華と目が合い、急に慌てた表情の坂東。 坂東「鳴! 前見て! 前っ!」    何かにぶつかり転倒する千華。 千華の声「痛っ……」    ランドセルを背負った千華、歩道にあひる座りしている。    仰向けに転んだ鳴。沙羅が手を引いて鳴を起こす。鳴、眠そうにあくび。 沙羅「寝ぼけてるから、ぶつかるのよ!」 坂東の声「君、大丈夫?」    坂東、千華に手を差し伸べる。 坂東「立てる?」    千華、右手で坂東の手をつかみ、ニヤリと笑う。 千華(M)「チャンスだ。今、ここで!」    千華、左手をポケットに忍ばせる。が、驚愕の顔になる。 千華(M)「ないー! 落とした!?」    坂東の手を取り、立ち上がる千華。 坂東「ごめんね。ほら、鳴も謝って」 鳴「ごめんなさい」    顔が真っ青の千華。 坂東「顔色悪いけど、どうかした?」 千華「(焦り)学校いかなきゃ。それじゃ」
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