小説家・天ノ川夜一

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「これで全部かな?二人とも、どこまで行ったんだろう……」  もう一つの仕事。それは『鬼灯寮』の直丁(じきてい)だ。  藤宮(ふじのみや)家を守る人間として血契を結んだ。つまり用心棒みたいなものである。もっとも、他の血盟と違うのは『吸血鬼が二人いる』こと。これは中々いない体質らしい。 「そろそろ合流しないと……」  そう思った時、背後から業血鬼が唸りを上げた。 (しまった!)  今から刀を抜いても間に合わない! 「伏せろ!」  銃声が響く。  大柄な業血鬼はすぐに灰になった。 「大丈夫か?」  そう言った声には聞き覚えがあった。 「え?天ノ川夜一さん?」 「?」
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