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「…今のはアホなお前が悪い」
後ろからそう言い放ったのは、アタシの中学からの親友の灰原。灰原海斗。
よく、『親友が男とか有り得ねえ』と言われるが、灰原はホントに気心知れたイイ奴だ。茶色の長めの髪に、BVLGARIのネックレスと時計、と派手な外見な上、明るく社交的な内面で、校内の女子からけっこう人気がある。
唯一、アタシが椎名の事をスキだという事を知っている人物だ。
「灰原ぁ〰」
「うっわ、情けねぇ声出してんじゃねぇよ」
「なぐさめてっ」
灰原のシャツの袖を引っ張り、背中に顔をうずめる。
「なぐさめ料」
そんなアタシに、眉を上げて灰原は左手を出した。
「ハァァ!?あんた、傷付いた乙女を見て何とも思わないの!?」
「プッ」
コイツ…今笑いやがったな。
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