人魚

3/4
前へ
/4ページ
次へ
百年前、人間に捕らえられそうになった時に、 尾びれの片方がちぎれてしまった人魚がいたの。 泳ぐのも遅れてしまうから、また人間に狙われて。 それでも変わらずに、迷い込んでしまった船や人間を見つけては、 使いのウミガメやイルカに先導させて、助けていたわ。 まるで何もないかのような、変わらぬ笑顔で。 きっと最後まで。 テオ、それが彼の名前。 人魚には男の人魚もいるの。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加