人魚

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夜の港町。 暖かいオレンジ色、柔らかい白い色に灯る街の灯り、 静かに波打つ海をゆったりと照らす灯台の灯りが私は好き。 陸から離れた沖は凪ぎ、しっとり優しい海の香りに体を包まれる。 聞こえるのは静かな波のさざめきだけ。 深海から大切な真白い貝殻を胸に抱いて泳いできて、こうしてこの岩場に腰掛けて、暖かに輝く街を眺めてゆっくり過ごす時間が幸せ。 きっとこんな姿を見つけた人間が、人間の男の人に恋心を抱き憧れる、 そんな人魚伝説を生み出したのかしら。
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