【新番町皿屋敷】

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【新番町皿屋敷】

  ◆   ◆   ◆ 僕「海って、怖いよね」 君「そうだね」 僕「岩肌を叩く波音(なみおと)が、裁判官(さいばんかん)の叩く木槌(ガベル)みたいだ」 君「そうなの?」 僕「そっか、君は()いてなかったね」 君「そうだね、ちょっと聴いてみたかったかも」 僕「ごめん」 君「いいの。あなたのしたこと、正常なことだし」 僕「そうかな」 君「うん、私、バカだけど、そういう気持ちはわかるよ。私たち、境遇(きょうぐう)が違うようで、同じだし」 君は、すっと、僕の(こし)に手を回した。  
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