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君「あたしね、あなたにとって、2番目でもいいの」
僕「───」
君「3番目でも、4番目でも、5番目でも…」
僕「どうして?」
君「私に、命をくれたから」
僕「元からあったじゃん」
君「なかったよ。あなたから、教わるまでは」
僕「なにを?」
君「……笑顔を」
僕「……」
君「毎日親に殴られて、勇気出して逃げて、それでも怖くて、自由になったのに、自由になれなくて、色町でも家畜同然に扱われて………ひとり道端で誰かの名前を呼びたかった」
僕「だからあのとき、僕の名前を呼んだの?」
君「そう。手を差し伸べてくれたあなたと、繋がりたかったから。自然な笑顔を教えてくれたあなたへ、せめてものお礼……」
僕「だから、なんでもしたんだね」
君「なんでもするよ。私、バカなの。でも、バカはバカなりになにかしたかったの。あなたのために、なんでも」
僕「だから君は………」
僕の母を殺したんだね。
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