一枚の写真~プロローグ

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一枚の写真~プロローグ

私がこの世を去るときに何が心残りだろうか? 私がそう思うのは、今年に入って友と呼べるような人がなくなったことがきっかけだった、私よりわずかに5歳ほど上なだけだった。 人はいつ死ぬかわからない、そういう年代になっていることになっていることに気づいた時、強烈にやり残したことがあることに思いいたったのだ。 「息子に話しておきたいことがたくさんある」 それは息子にどういう遺伝情報が伝えられているのだろうか、ということを書き記して置くことだった。我々は先祖からの悠久の流れの中に今もあることを自覚してもらうことでもあった。 僕らはあるグルーピングの中で生きているように思う。それは過去も現在もそうだろう。なぜそう思うかは、世界の人口が70億人いる中で出会う人はほんのわずか、だから出会いというのは必然。 必然というのは出会う理由があるということ。それは何か?ということになるとスピリチュアルな方向に向かうがそういう話をしたいわけでもない。 ここでは先祖が過去を生きてきた様々な時代があり、その時の自分を取り巻く人間関係をグルーピングと呼ぶことにする。先祖というのはまた自分自身でもあるのだから。 この年になって思うのは、どのグルーピングに属していくのかはある程度選択できるな!と言うことで、そういうことを知ることで人生をスマートに生きていけるような気もするのだ。 だから、これは遺書といってもいい。そうして私はこれをサイバー空間に残すことにした。個人的な内容ではあるがサイバー空間を漂う私小説的なものに出会った人が少しの間、楽しめるものにしようとも思っている。 そうして、息子にはまだそのアドレスを教えていない、私がこの世を去るときにその鍵を渡そうと思っている。まあ偶然息子が見つけるかも知れないが、ああ、必然ですね。 息子よ、あなたの遺伝子には様々なことが書き込まれている。そういうことを意識することは無駄ではない、すでに書き込まれていることはすんなりできるかもしれない。そういうことを知ってこれからの人生をスマートに格好よく生きてもらいたい。 まずは傍証から遡ることができる限界の戦国時代あたりの話をしようか、いやいやその前にごく近くの話から始めなければならない。 個人的な経験こそ普遍性がある~岡本太郎  ©️2021 keizo kawahara
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