『脱げというならば脱ぎます。……この二人が』

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『脱げというならば脱ぎます。……この二人が』

 明らかに疲れを見せてきた女性店員は一度引っ込み、入れ替わりに年配の店員が五十嵐の前に姿を現した。  手に余る客だと思いベテランを連れてきたのだろうか。  五十嵐は「これをください」と両手に持った展示品を差し出す。 「恐れ入りますがお客様。こちら非売品でございまして商品としては販売いたしかねます」 「わかりました。お金ならいくらでも出します。土下座しろというならば土下座もしましょう。脱げというならば脱ぎます。……この二人が」 五十嵐は、しれっとフレデリックと兄崎を指さす。 「俺らかよ!」 フレデリックは飽きたのか、大根に縫いぐるみを勝手に写メしている。 撮影禁止と書いているが、そんなもの気にする彼ではない。
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