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『紛れも無く、殺し屋の目をしていた』
砂糖と脂肪の塊という言葉に、クレープ店でたむろしていた少女たちがぎょっとした顔でこちらを見る。
あ、俺関係ないんで。
兄崎の顔は引き攣った。
五十嵐を思い切り殴りたくなったが、理性を総動員し、にっこり微笑みかける。
子供に言い聞かせるつもりで、ゆっくりと言葉を発す。
「五十嵐。いい? これは非売品なんだよ。いい加減あきらめて」
「――……おい、このヘタレ野郎。誰に向かって口を利いているんだ。ぶつ切りにして学院の池にいる鯉の餌にされたいか」
ひぃいいい。
兄崎は一瞬だけ息が止まった。
紛れも無く、殺し屋の目をしていた。
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