『好奇の視線の原因は目の前の後輩』

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『好奇の視線の原因は目の前の後輩』

――周囲からの視線が痛い。 竜ヶ崎学院男子高等科、生徒会副会長の兄崎 優紀はちらりと周囲を見遣る。 笑いながら此方を見てひそひそと会話していた少女二人組と目が合うと、彼女たちは笑顔を張り付けたまま慌てて目をそらした。 自分の容姿が整っていることは理解できている。 おまけに今日は会計監査委員のフレデリック=バートリーもいる。 容姿だけなら兄崎より目立つだろう。 称賛の眼差しを浴びることは慣れている。 しかし好奇の視線であれば、それを無視できるほど面の皮は厚くない。 ここは学院最寄りの駅前のデパートだ。 別に学生服の男が珍しいわけではない。 女の集団に男同士の組み合わせが目立つのかもしれない。 しかし所詮は他人だ。 少女趣味な雑貨店に場違いな男どもが居ても無関心を貫くものだろう。
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