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そうは言っても気持ちの整理ってのは時間がかかるもので、頭では理解してるんだがなかなか追いついてこない。
まあ、俺がどんなに落ち込んでようが授業はあるし、テスト期間もやってくる。暫くは何も考えないで済むように、ひたすら引きこもって勉強に打ち込んだ。
ようやくテストも終わった次の日。解放感で気が抜けた炭酸みたいにグダグダしつつ、ひとりカフェテリアでボーッと雑誌を読んでいた。
そろそろサークルにもバイトにも顔を出さないと、とは思うものの、何もする気が起きない。覇気がないとか、顔が死んでるとか、この数週間会う人会う人言われ続けた。もちろん原因は分かりきっていて、それ故に処置なしと自覚しているので、復活するのは時間に任せるしかないと俺自身は納得というか諦めの境地なのだが。
周囲は随分驚いたようだった。うちの大学では珍しい部類の陽キャな俺が、新年明けたら完全な陰キャ状態で絶不調なのを見れば、まあ当然だろう。
何となくお察しで、そっとしておいてくれる友人たちには感謝しかない。こういう傷って時間が癒してくれる、って世間では言ってるけど本当なんだろうか。初めての恋に、初めて破れたのだから、勝手が分からない。つか、皆こんなにしんどい想いを何度も経験してんのかと思うと尊敬しかない。俺なんて、たった一度だって既に死にそうにしんどいのに。
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