6人が本棚に入れています
本棚に追加
けたたましいアラーム音で目が覚めた。
起き上がり、枕元のスマホに手を伸ばす。せっかくいい夢を見ていたのに、全部台無しになってしまった。
もっとも、この小さな端末は、命令通りに持ち主を起こしただけなのだ。呪うとしたら、この時間に起きると決めた昨日の自分だろう。
やり場のない苛立ちを何とか押さえ込んで、アラームを解除した。
画面の片隅に小さく映る日付が目に留まり、もう2カ月も経っていることに気付いた。
――そろそろ、受け入れるしかないのかな――
心の中で呟いて、ベッドから起き上がる。重い足取りで、クローゼットへと向かった。
最初のコメントを投稿しよう!