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"隆人くんいるんじゃないの?"
実結が声をひそめて
ベッドに接する壁を指差す。
弟の隆人はインドア派で
休みの日は家にいる事が多い。
パート勤めの両親は平日が休みで
土日は遅くまで帰って来ない。
紀樹はニヤリと笑って
下だけを脱ぐ。
"実結も服は着といて"
小声で言った後
スカートからショーツだけを
そっと抜き取った。
ベッドがギシと鳴る度に
実結は体に力を入れて唇を噛む。
限界まで責め立てると
我慢しきれない表情で
首を振ってイヤイヤした。
たまらん。
♥ ♥ ♥
「隆人は今日はおらんねんけどな」
鏡の前で髪を整えてる実結を
後ろから抱きしめた。
「はあっ?!」
素っ頓狂な声を上げた実結と
鏡越しに目が合う。
「何でそんな嘘つくの?!」
必死で我慢する姿が可愛いから。
「別に嘘はついてへんやん」
実結が腕をほどいて
さっきよりもすごい形相で
紀樹の方へと振り返った。
「サイテー」
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