7 再会

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おや、昭典(あきのり)とツヨシの話は終わったようだ。 そうそう、早よせぬと、月は沈み、そして、虹の橋も消えてしまうぞ。 ツヨシが昭典(あきのり)に別れを告げている。 見送る昭典(あきのり)は涙しているようだ。 逢えるよ、いずれは。 必ず。 されど、それがなるべく遠き日となることを願うぞ。 しっかり生きてくれ、昭典(あきのり)。 『猫泥棒』としてのこれまでの務め、大儀であった。 ツヨシが駆けてくる。 虹の橋の上を。 夢の世界へ向かって。 鏡の如き月が放つ、銀の光を浴びながら。 その体から眩い光の粒を散らしながら。 現世(うつしよ)にてその身に蓄えた「幸せ」を、 全て還して「夢の世界」に来る積もりなのだろう。 この夜の下で、寂しさに震える小さき者達のために。 最期の最期まで『猫泥棒』なのだな、お前は。 今までよく生きたぞ、ツヨシ。 おかえり。 【『猫泥棒』・完】
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