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翌週のことやったと思う。
朝の給湯室にいるサヤカの変貌に
タヌキが化けんのを失敗したかと思った。
ふら~と所在なさげにうろつく。
おいおいおいおい……(汗)。
こいつ大丈夫か?!
目の下にはクマ。
顔は土色。
歩く姿は幽霊。
まさに生ける屍。
こないだまで
ガツガツ納豆巻食ってたアライグマと
同じ生き物と思われへん。
「サ、サーヤ? 生きてるか?」
「生きてますよ〜……」
「ふなっきーと何があってん?!」
理由はそれ以外には考えられへん。
「別れたんで……」
ええっ?!
「な、何でや?!」
「言いたくないんで、そっとしといてくれませんか……」
振られたんやな。
相手はまだ遊びたい盛りの若者やしな。
童貞卒業したら色んな女とやりたいよな。
「そっか。すまん……」
「いえ……」
「昼は外に食べに行くか? おごったるから」
「食欲ないんで結構です……」
重症やな……。
気持ちは痛いほどわかる。
今は少し時間が必要やな。
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