2 Sな彼女とドSな彼

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「お、お気持ちは嬉しいんですけど」 しばし硬直していたサヤカが 重い口を開いた。 「何やねん」 サヤカがおずおずと紀樹の方を見る。 「西川さんをそういう対象としては意識してなくてですね……」 そんな事はわかってんねん。 「今から意識したらええやろ」 「変な汗出そうなんですけど……」 大輪の花が幾つも幾つも咲き乱れて 色とりどりの光が二人を映す。 変な汗って何やねん。 「もっと汗かくことは今度したるから」 冗談を笑い飛ばす事もしないで サヤカがビクッとして顔色を変えた。 「むむむ、無理っ! 無理です!!」 「無理って失礼やな」 俺でもちょっと傷付くんやけど。 「キャパオーバーです。勘弁して下さい」 「何やそれ……」 どうしたもんかなあ。 今日俺のもんになってくれんと困んねん。 色々我慢してる事があるんやから。 やっぱりさっきの冗談ちゃうかったわ。 終盤に差し掛かり 花火が次々に上がっては消える。 しゃあないヤツやな。 サヤカの手を離して顔を覗き込む。 瞳の奥にあるホントウを探す。 「サーヤは俺のことが嫌いなん?」 「いえ、そんなことは……」 いっつも俺の横で楽しそうにしてるやん。 今一緒にいて楽しいと思う気持ちも もっと一緒にいたら楽しそうと思う気持ちも 間違いないやろ? それでええやん。 泣きたい時には全力で笑わしたるから 俺の隣であほみたいに笑っとけ。
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