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『準備いいか?』
電話ごしのリーダーの声。
僕が所属してる、ゲーム実況グループのリーダーだ。
僕は晴人。
大学三年。
ゲーム実況者だ。
ネット上の名はハルト。そのまんま。
高校の時、ノリでゲームの実況動画を撮り、動画配信サイトに投稿した。
それがいつのまにか世間にウケていて、今ではちょっとした有名人だ。
当分は皆実家暮らしで家が近く、親しいままだから、まだまだ配信は続くだろう。
『聞こえてんなら返事しろよ』
調子よく笑いながら言うリーダー。
僕の幼馴染の翔吾だ。
昔からクラスの中心的な存在で、あだ名はリーダー。
そして仮名も勿論リーダーだ。
『俺おっけー。ハルトは?』
グループは僕を入れて三人。
今僕に確認をしてきたのは帝。
仮名はダイキ。苗字が大木だから。
「おっけ」
僕は短く返した。
『相変わらずテンション低いなあ』
リーダー、もとい翔吾がからかうように言う。
静かな僕の性格は、人気ゲーム実況者には向かない。
現に撮影に未だ慣れていない。
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