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コンビニでミルクティーと
サンドイッチとM×Mチョコを
買った。
空腹と疲労に耐えかねて
チョコをすぐに開封。
一粒を口に入れて
元来た道を戻る。
駐車場の通用口まで来て
ドアノブを回した。
上手く回らずに
カチャッと音がするだけ。
力を入れて
何度も回すが、回らない。
開かない~!
どうしよう! どうしよう!
必死でカチャカチャしていると
急にドアノブが回って
中からゆっくりとドアが開いた。
「この扉、オートロックやから(笑)」
外からは鍵がないと開かない、と
彼が笑いながら
私を招き入れた。
「そうなんですか。ありがとうございましたっ」
恥ずかしいやら何やらで
早足で建物の通用口へと歩いた。
「あっ!」と彼が言う。
無視してドアを開ける。
ところが、開かない。
カチャカチャカチャ……。
デジャヴ……!
「まさか……」
「うん。そこもオートロック(笑)。今助けを呼んでるから、ちょっと待ってな」
コンビニに行く時に
北山さんはそんな事は
教えてくれなかったよ~。
「もしかして西川さんも戻れなくなったんですか?」
「うん(笑)。さすが新しいビルはセキュリティがしっかりしてるよな(笑)」
沈黙が流れる。
穏やかな風の音がする。
彼との間にある沈黙は
嫌じゃなかった。
「そうだ。チョコ食べますか?」
コンビニの袋から
開封済みのM×Mチョコを出して
軽く振った。
「貰おうかな」と彼が左手を広げた。
その手に丸い小さなチョコを
何粒か乗せようとして
バラバラと大量に中身が出た。
「あぁっ」
彼が慌てて両手で受け止める。
セ、セーフ……!
「こんないらんわ(笑)」
「ですよね(笑)。じっとしてて下さいね」
余分なチョコを箱に戻す。
手が触れると
ドキドキしてしまう。
チョコのザラザラという音が
小さく響いていた。
「なあ、マミヤちゃん……」
「はい?」
彼が手のひらの数粒を握りしめた。
「一目惚れって信じる?」
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