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* * *
いつもの時間帯に家を出て、いつもの時間帯に学校に到着する。
リーダーと一緒に登校する時は、私から連絡して、リーダーが先に家の前に来てくれる。でも今日は、リーダーが朝食の準備当番の日で遅くなるから、先に1人で登校した。
朝からずっと、午前の授業中も、頭の中は『歌死魔さん』のことでいっぱいだった…。
* * *
昼休みのチャイムが鳴った後、鈴村さん達が私の席まで来て、一緒に4人でお昼ご飯食べようと誘ってくれた。
私は頷いて、鈴村さん達と一緒にお弁当箱を手にベランダに出る。
「昨日、楽しかったね〜」
おにぎりのラップをはずしながら、佐々木さんがにこにこ笑顔で言った。
川村さんがサンドイッチを齧ったあとに、
「そういえば、夢にさ…」
私はどきりとする。
思わずお箸を持つ手を止めて、川村さんをじっと見てしまう。
「『歌死魔さん』、出てこなかったよ」
と、言った。
「私も〜」
言って、佐々木さんはおにぎりを齧る。
私はちらっと鈴村さんを見た。
お弁当を食べながら、鈴村さんは、
「私も出てこなかったよ。篠岡さんは?」
と言って、私を見た。
「わ…私も、見てない…」
「そっかぁ」
その後は、ドラマの話にうつって3人の話は盛り上がる。
私は俯いて、お弁当のおかずを意味もなくじっと見た。
…みんなは、夢を見ていないんだ。
やっぱり、私が“選ばれた”んだ……。
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