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……………
ぱちっと目を開けた。
気がつくとそこは、夢で見たのと同じ、薄暗いどこかの部屋の中だった。
「篠岡、大丈夫か?」
体を起こした私の顔を覗き込むリーダーに、私は無言で頷く。1人じゃないことにほっとして、リーダーの手を借りて立ち上がる。
「なるほど。こう来たか」
そう呟いたのは神楽君で、薄暗い室内の中腕を組んで立っている。その横顔はなんだか楽しそうに見えた。
「この状況…大丈夫なのか、神楽」
神楽君のそばに立っている潤君は不安そうだ。
「さあね。少なくとも彼女に歓迎されていることを祈るよ」
そんな潤君に、神楽君は素っ気なく言うと、鋭い目つきで室内のドアの方を見た。
「水の音がする」
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