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神楽君はそう言った。
すると、彼女の唇が微かに微笑んだように見えた–––…
……………
……
ハッと、夢から覚めた。
ソファの背もたれから頭を上げる。
みんなより先に目を覚ました私は、意味もなくキョロキョロしてから、テレビを見た。
テレビは正常に戻っている。
「…、う…」
「リーダー、大丈夫?」
リーダーが目を覚ました。少し遅れて潤君も目を覚ます。
「さっきのは夢…だったんでしょうか…?」
「全員が夢を共有してたみたいだな…」
すると、最後に目を覚ました神楽君が「ふぁ」と軽くあくびをする。
「…神楽君」
私は、おずおずと口を開いて彼の名前を呼んだ。
目が合うと、神楽君は小さく笑みを浮かべる。
「さぁ、彼女の未練を晴らしに行こうか」
と言って、神楽君は腰を上げた。
神楽君を隣から見上げた潤君の眉が微かに寄る。
「待てよ神楽。彼女の未練はなんだったんだ?俺たちで解決出来ることなのか?」
「なあに、意外と簡単に片付きそうだよ」
神楽君は潤君を見下ろしてそう言うと、にっこりと笑った。
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