101人が本棚に入れています
本棚に追加
川村さんが戻ってきて、それぞれが座る位置にドリンクを並べた。
一番手に、鈴村さんが歌を歌う。
次に佐々木さん。
川村さんが激しめの曲を歌ったあとに、私は歌いやすい穏やかな曲を選んで歌った。
やっぱり、人前で歌うのは恥ずかしい…。
でも、ちょっぴりだけど…楽しい、かな…。
次は写真部のみんなで、一度来てみたいかも…。
一周目が済んだ時、タイミング良くフライドポテトとハニートーストが運ばれてきた。
それらを分け合って口にしながら、トークタイムに入る。
「篠岡さんって、すっごく歌上手だね!」
向かい側に座っている佐々木さんが、にこっと笑って褒めてくれた。
「あ…ありがとう…」
「声が綺麗だよね。柔らかくって優しい感じ。私と真逆だなぁ」
私の隣で足を組んで座っている川村さんも笑顔で褒めてくれた。
恥ずかしいけど、嬉しい。
するとポテトを摘んだ鈴村さんが、
「ねぇねぇ篠岡さん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
と言ってから、ポテトを口に放り込む。
私はオレンジジュースのグラスを手にしたまま「なに?」と聞いた。
「篠岡さんって、部活って写真部だよね?」
「うん…」
「確か後輩に、イケメンいるでしょ。神楽って苗字の男子」
私は口を閉じて、こくりと頷く。
「廊下歩いてるとこ何度か見かけたけど、めっちゃ綺麗な顔してるよね。身長もあって細身で、声もイケメン!」
「まさに王子様って感じ〜」
「目の保養だよ。あと一年遅く生まれてたらもっと近くで拝めたのになぁ」
3人とも、神楽君のことできゃあきゃあと盛り上がっている。
最初のコメントを投稿しよう!