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神楽君は確かに…綺麗だと思う。
けど私は、それ以上彼に対して特に何も思わない。
部員の中で、私と一番コミニュケーションがとれていないし…。
俯く私に、川村さんが言う。
「写真部って、篠岡さん以外全員男子なんだよね。篠岡さん男子苦手じゃん。居心地悪くない?」
「別に、平気…」
「へぇそうなんだ。だったらクラスの男子とも話してあげなよ。クラスの一部の男子なんか、篠岡さんと仲がいい寺田君にめっちゃ嫉妬してんだからさ」
……!
それを聞いた瞬間、心臓が強く脈を打って、息が苦しくなった。
リーダーに、嫉妬…
それが原因で起こった、過去の恐ろしい出来事…
私をストーカーしていた人が、リーダーに嫉妬して…
リーダーに、『犬神憑き』の呪いをかけた…
その呪いに、リーダーはずっと、苦しめられてる…
命を、削られてる…
私の、せいで…っ…
グラスを持つ両手が震える。
だめ…気持ちを落ち着かせないと…。
そう思って、オレンジジュースを一気に喉へ流し込む。
「あ、話変わるけどさ。ここのカラオケ店の心霊話、みんな知ってる?」
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