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全員がぎょっとして、テレビを見る。
「え、何、故障?」
びっくりした鈴村さんが、腰を上げてテレビを確認しに行く。
いろいろ触ったりしたあと、鈴村さんは言った。
「だめね、部屋変えてもらわなきゃ」
「も〜、このタイミングで怖すぎるって〜」
「あはは、確かに」
佐々木さんは泣きたそうになっている。川村さんは苦笑いした。
鈴村さんが電話でスタッフに事情を話し、すぐに空いている部屋に移動してもらえた。
最後に部屋を出る時、私は、後ろを振り返った。
まだ大きなノイズが鳴り響く薄暗い部屋と、砂嵐のテレビ。
そのテレビに、ふっ、とーーーー人の片目が映った。
目が、合う。
「……!」
慌てて扉を閉める。
先に廊下に出ていた3人が「どうかした?」と不思議そうに私を見た。
今の、何…
きっと見間違い、だよね…
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