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 人々は今からヴォーグ人からの宇宙公開説教という辱めを受けることになる。先にベイ将軍が前に出た。どうやら人類に向けてのメッセージを送るようだ。いつものオーラはいささか薄らいでいる。  ベイ将軍が話し始めた。 「皆もすでに分かっているだろうが、我が地球はヴォーグ星の方々により制圧された。彼らは何万光年などという遥か彼方の距離からひとっ飛びで地球にやって来られた。要するに我々の想像の及ばぬ程の科学力をお持ちという事だ。我ら地球防衛軍が再び彼らと一戦を交えることはない──いや、交わる前に制圧されたわけなのだが……」   「今私に出来ることは後ろにお控えになっているヴォーグ星人代表とのテーブル上での交渉しかない。我々の武力は無力だ。しばらく君たちは今まで通りの生活を送って構わない──と代表から有り難い言葉を頂いている。交渉の結果は追って報告することとする」 「最後に一言付け加えておくが、醜い暴動略奪などの愚行はならんぞ。常に地球人としての美学に(のっと)って行動するのだ。貴顕紳士の様に貴婦人の様にサムライの様にサムライの奥方のように、どんな時も地球人らしく美しくあれ……」
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