第一話 仇

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 真龍は死んだ。  今から30年以上前に国を治める器とされた真の龍、いわゆる『真龍』は王宮の高い塀から身を投げた。それから王座は空位のままである。  数々の権力者が国を治めようとしたが彼らは皆『偽龍(ぎりゅう)』、偽りの龍だった。  そして国は荒れ果て戦が後を絶たず民は今日も真龍を待ち望んでいる。
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