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1. SIDE 涼
会社終わりに同期と飲みに行った帰りに事は起こった。
ハゲ上司の愚痴を漏らしながら皆んなでわちゃわちゃと飲み、それなりに酔っぱらって自分の家へと足を向けた。
俺は結婚もしていなければ、同棲している彼女なんかも居ないので住んでいるのは綺麗な3階建てのアパートだ。ちなみに家賃も安めな割に新しく、設備も整っていて防犯性も高いため、かなり気に入っている。
3階にある自分の部屋の方へと階段を上がっていたところ、2階と3階の間でスマホを落としてしまった。
10段ほど下に落としてしまい、内心舌打ちをしながら拾うために階段を降りようとした、、、のだが、
酔っ払っていたことからか、覚束なかった俺の足は見事に階段を踏み外した。
咄嗟に手すりを掴んだが、俺の軸足である右足は4、5段下に足首が捻られたまで着地した。
更に下へ落ちない為に、痛む右足に鞭を打って何とか踏ん張る。
それでも突き刺すような痛みに耐えきれず、俺はその場に座り込んだ。
今まで経験したことのない程の痛みに、
「あー、このスーツ割と気に入ってたのに汚れる」
とか
「このアパート、エレベーターないんだが。これからどうしようか。」
などと、よく分からんことを考えた。
そんで、寝たら治っているのではないかと思った俺は寝ることにした。
足の痛みは決して弱くはなかったのに何故寝られたかって??
それは単純。俺は酔っ払っていたからだ。
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