1. SIDE 涼

1/1
前へ
/13ページ
次へ

1. SIDE 涼

会社終わりに同期と飲みに行った帰りに事は起こった。 ハゲ上司の愚痴を漏らしながら皆んなでわちゃわちゃと飲み、それなりに酔っぱらって自分の家へと足を向けた。 俺は結婚もしていなければ、同棲している彼女なんかも居ないので住んでいるのは綺麗な3階建てのアパートだ。ちなみに家賃も安めな割に新しく、設備も整っていて防犯性も高いため、かなり気に入っている。 3階にある自分の部屋の方へと階段を上がっていたところ、2階と3階の間でスマホを落としてしまった。 10段ほど下に落としてしまい、内心舌打ちをしながら拾うために階段を降りようとした、、、のだが、 酔っ払っていたことからか、覚束なかった俺の足は見事に階段を踏み外した。 咄嗟に手すりを掴んだが、俺の軸足である右足は4、5段下に足首が捻られたまで着地した。 更に下へ落ちない為に、痛む右足に鞭を打って何とか踏ん張る。 それでも突き刺すような痛みに耐えきれず、俺はその場に座り込んだ。 今まで経験したことのない程の痛みに、 「あー、このスーツ割と気に入ってたのに汚れる」 とか 「このアパート、エレベーターないんだが。これからどうしようか。」 などと、よく分からんことを考えた。 そんで、寝たら治っているのではないかと思った俺は寝ることにした。 足の痛みは決して弱くはなかったのに何故寝られたかって?? それは単純。俺は酔っ払っていたからだ。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加