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7. SIDE 那月
「よし、固定すんぞ。いいか、、、って、なんで泣いてんだ!?」
顔を上げたら佐倉の泣き顔が見えてギョッとする。
「えぇ!?あ、、ほんとだ。すみません、思ったよりも痛くて、つい。」
「あー、いじくり回したからか。わりぃな。」
「むしろこちらこそらすみません。」
彼曰く、無意識に涙が出てたらしい。
確認の為とはいえ触りまくったから、申し訳ないと思う。
そして、いざ固定しようとしたらテーピングも包帯も持っていないことに気づいた。
基本そんなの持ち歩かないよな、なんて事を考えながらも、すぐそこに家があることを思い出す。
「(あー、応急処置だけのつもりだったんだが、連れて帰っちまうか。)固定するもん持ってなかったわ。階段上がってすぐが俺の部屋だから、そこまでおぶってく。」
涙でウルウルしてる目を見たら放っておけるわけがなかった。
彼の前に背中を向けてしゃがみ込む。
「うぇ!?いや、そこまでしてもらうのは、申し訳なさすぎます!!」
「いいから。ほら、乗れ。」
「だっ大丈夫です!!ケンケンとかでっイタッ」
佐倉は必死に断ろうとしていた。
しかし慌てて立ち上がろうとした際、床に足を勢いよく着いてしまって悶えていたので、その間におぶってしまう。
175くらいある佐倉は、190近くある俺からしたら軽い。
ギャーギャー言ってるのを無視している内に部屋に着いて、彼をソファに降ろした。
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