鉄道と人生

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 鉄道路線が廃止される。  この小さな町を繋いでくれた鉄道があと数日でその役目を終える。  鉄道が出来た時、今では想像がつかないほど人の活気で賑わっていた町から、とうとう鉄道までもが消えていく。  その当時から生きてきた訳じゃないが、ここ2,30年のうちにこの町から多くの人が出て行った。当時炭坑で栄えていた町も時代の流れに置いて行かれるように炭坑に代わる産業が現れず衰退していった。  人の流れがなくなった町にはいずれ終わりがやってくる。その前兆が鉄道路線の廃止だ。採算の合わない路線が消えるのはごく当たり前のことだ。赤字路線を持つ鉄道を維持するのもとても大変なことだろうし、廃止するのも簡単に決められる訳ではないのだろう。  だからここまで鉄道を続けてくれた事に「ありがとう」と言いたくなった。最終日に言いに行こう。俺は殺風景な部屋の中でそう思った。
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