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「凄いですね。マーズベルにはジェネーブ・ヴァイザーは生息していないでしょうに」
クロノスが椅子の肌触りを確かめながらそう呟いている。
「ああ。これは先日青龍さんと会った時に貰ったんですよ。絶対にいいから使えって。確かに、五芒星会議の時に体の節々が痛くはならなかったなって」
「確かに、五芒星会議に使う椅子はジェネーブ・ヴァイザーの革だったね。本当に珍しい魔物の革で入手困難だから、上手に使わないとね」
「ルミエールの言う通りだな。で、今日は調査報告に来たんだろ」
俺がそう言いながらレンさんに視線を向けると、レンさんは筆ペンで書いた資料を出して来た。
「そうなんですわ。まあマカロフ卿達と直接対峙した訳じゃないのでそこはご安心を。この通りに無事に戻ってきていますんで」
「無事で何よりだ」
「で、しばらく言われた場所で俺達は張っていたんや。そらもう地下から物凄い音がしていたんですけど、マカロフ卿達の戦力は半端じゃなかった」
「それがこの特徴か」
「そうです」
渡された資料には、6人の似顔絵が描かれていた。左から順番に、青い瞳の黒髪のオールバックで葉巻を咥えている男はジェノーバ・マカロフと名前が書かれている。似顔絵めちゃくちゃ上手いな。それに色付いているし。
そして、次は金髪で色白の耳が長い翡翠の首飾りをしている女性だ。彼女は森妖精のメリーザ。
「その隣の少年が」
ネオンさんがそう指して来た。
「俺は人工フラッシュバンを繰り出した少年と同一人物やと睨んでます」
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