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ワイバーン襲来
「とりあえず片すか」
「そんないきなり消えるんですか!?」
「そう。まあ結構強めに念じることだけどね、多分、消えてほしいわ~ってつい独り言を言ったら消えてしまうシステムエラーを防止するための事じゃないかな」
「成程ですね」
「とりあえず村に戻るか。あり?」
「なんでしょう?」
そう。これだけ晴れているのに、急に影がいっぱいできた。上に視線を移すとゲームでしか見たことがない、ワイバーンが数十匹が通り過ぎていた。え――? と思わずミクちゃんと顔を合わせた。
いや! 確かに格好いいんだよ!? おお! って言いたい。赤い体表に鋭い目と、鋭い牙。そしてドラゴンのような顔。刀のような鋭く強靭な羽。ほらね? ダサい訳ないじゃん。たださ冷静に考えてほしい。この俺が見ているワイバーン達。全長5.0mくらいある。
「格好いいですけど怖いですよね」
「だな。あとさ、気になったんだけど村に向かってね?」
「ですね」
「急いで戻ろう!」
しばらく走っているとヤバいと気付く。ワイバーンが火を吹き始めている
「ヤバいですね。どうしますか? ワイバーンって結構手強いらしいですよ。今のうちに、何で倒すか決めておいた方がいいかも」
「ガトリングガンとかって効くのかな~って感じだな。他にいいアイデアある?」
「おお――これまたエグイ武器ですね。私が引き寄せているのでガトリングガンをぶっ放して下さい」
「もっといい方法があればな。ざっと見た感じ10頭ほどいたからな。ガトリングガンを俺だけが撃つってのは効率悪いよな。まずは状況を把握してからだな」
それから急いで村に向かった。パッと見た感じでは、死者はいなさそうであったが重症患者は多く、焼き払われている民家がちらちらと見える。当然燃えて近づけない場所などがあったりして、辺りは混乱の渦中にあった。
そんなときに村長のネゴルドと、6人の村人が慌てて駆けつけてきた。
「冒険者。お待ちしておりました。ワイバーンに襲われてこのありさまです。応戦できる者は弓で対抗したのですが、なかなか討伐することができません。どうかお力を貸してください」
「勿論。死者はいないのですか?」
「ええ。ただ重傷者が多いのと、このようにあちこちの家が焼かれて燃えたままで、このままでは村が消し炭にされます。鎮火の作業と治療を行わないといけません。どちらも人手が足りず困っております」
「分かりました。噴水の水は全部貰ってもいいですか?」
「私が皆さんに消火できるアイテムをお渡しします」
と、俺が地面に出した口が大きい20mのホースと、その口の大きさに合うシャワーノズルを取り付けて、6人の村人に渡した。
「これは何でしょうか?」
「噴水のところにホースを突っ込んで、火が出ている場所に、この出っ張りのところを押し続けて、かけ続けるだけでいいです」
「分かりました!」
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