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その返事をして村人は噴水に向かっていった。村長には救急箱を渡し、 回復が出来ていない村人の応急処置を行ってもらった。
「俺達はワイバーンの討伐にあたる。ミクちゃんは敵をできるだけ村から離れたところの上空で戦闘してくれ。俺は地上からワイバーンを撃つ」
「了解!」
ミクちゃんはそう言うと、背中から大きな天使の翼を生やし、飛行中のワイバーンを、水色のレイピアでバサバサと斬っていく。あれ? 別に俺いらなくない? とりあえず担ぐことができるガトリングガンだ。念の為グローブも欲しい。
「銃効くよな? レイピアで斬れているからいけるか」
そこから徐にガトリングガンをぶっ放したけど二体、三体とどんどん倒していく。初めてガトリングガンを使ったが爽快感が半端じゃない。なんだか異世界に来て、ガトリングガンで敵を倒して無双するとこんなにも寂しい気持ちになるのか。戦っている感が全然しない。
気付けばほとんどのワイバーンが死んでいた。何の緊張感も無く個々で倒すという荒業だった。今思ったけど、ワイバーンも鑑定できるのか? まあいいや。
「意外と呆気なかったですね」
ミクちゃんがそう言って降りてきたが大したモノだった。攻撃を一つも喰らっていない腕前で剣捌きは見事だった。ただ、戦い方がフェンシングだったのが気になる。
「なんで、そんなに強いの?」
「私、大学でフェンシングやっていたんですよ。どうやらそれの技術が活きているみたいですね。まあ確かに魔物初討伐の時は怖かったんですけど」
「そうなのか。作戦立てたの意味がないくらい凄い剣捌きだった」
えへへ――と照れているのが可愛いとか思ったが、そんな呑気な事言っている場合じゃない。それに俺達がいた丘からまた違う魔物が向かってきているけど――。
「あれはジェネラル・ワイバーンだ!」
一人の村人がそう言うと村の皆はパニック状態に陥り、恐怖で声を荒げている人がいたり、仕事を放棄している人がいたりとまあ大変。とりあえず深呼吸だ。
「落ち着いて下さい! 私とミクが奴を倒すので、今、自分ができることに集中してください!」
「そうだ。俺達にはミク様と、グァイアスを倒してくれた冒険者様がいるんだ」
「そうよ。ワイバーンをすぐに討伐してくれたじゃない」
などの様々な声が聞こえる。まあ、もうちょっと自分達で討伐してほしいがまあいいや。
「ミクちゃんは、村への被害出ないように、奴を引き付けて戦ってくれ。俺は後から行く」
「任せて下さい!」
上昇した後に、凄いスピードで飛んでいくんだけど何あれ? 軽くレーシングカーくらいは出ていそうなんだけど。とりあえずガトリングガンはいらないから消して、ダッシュでミクちゃんの方へ向かおう。
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