2462人が本棚に入れています
本棚に追加
ダッシュで駆けつけると、ミクちゃんは俺達が討伐したワイバーンの倍ほどある巨大なワイバーンと戦っていた。スピードで翻弄しながら、圧倒的な剣技で切り付けている。ただ、驚くことに、ワイバーンはものともしていない様子だ。耐久力も相当なモンなんだろう。生半可は銃じゃ倒すことはできない――。
一つ、名案だ浮かんだ。人がいる村から50m程の距離は離れている。そして辺りは何もない草原。いける――。
「ミクちゃん! 何とかそいつの動きを止めることはできる!?」
「無理ですよ! このワイバーン動き回るんですもん!!」
「ワイバーンから一旦距離を置いてくれ!」
俺は仕方なく、手からL96を出し、2倍スコープを取り付ける。怯みやすいと言えば目だろ。それに俺には狙撃手のスキルが付いている。当たるはずだ。
火を吹いたり、尻尾をブン回したりなどで暴れまわっているジェネラル・ワイバーン。なかなか狙うことができない。そう思っていたとき、ミクちゃんが尻尾を切断した。
「ギアアアアアアア!」
その一瞬の怯みで、引き金を引いた。
目に直撃したようで、すんごいうるさい声で叫んでいやがる。そしてもう一発撃ち、ジェネラル・ワイバーンの視力を完全に奪った。
「ミクちゃん離れて!」
ミクちゃんはコクリと頷くと、俺はジェネラル・ワイバーンの上に向けて手を翳し巨大な岩をイメージした。
上空から出てきたのは高さ20m、横幅10mの巨大な岩。ジェネラル・ワイバーンは声を荒げながら岩の下敷きになった。作戦大成功だな。
「めちゃくちゃ荒業ですね」
「俺も思った。まあこれで討伐できると思うけど、流石にまだ生きていやがるな」
「重量も計算したんですか?」
「100トンくらいにしたけど。どうだろうな。岩山の重さなんかよく分からんし――そいやコイツで鑑定できるのか?」
「できますよ」
「成程ね」
名前:ランベリオン・カーネル
性別:♂
種族:竜族 飛竜種:ジェネラル・ワイバーン
称号:飛竜の王
勲章:☆☆☆
パッシブスキル:鑑定士、熱無効、熱変動耐性、硬質化
アクティブスキル:地獄の炎弾、龍の咆哮、火炎放射、灼熱の尾、人型化
ユニークスキル:死の灰
アルティメットスキル:地獄の火炎玉
「え? 名前があるけど? んでもってめちゃくちゃ強そうなんだけど。よくこんなん簡単に倒せたな」
「確かにめちゃくちゃ強そうですね。あと、名前があるのも確かに驚きです。人型化もきになりますし」
「元々、名前ってあるものなの?」
「名前があるのは、珍しいですよ」
「助けてくれ」
あれ~。絶対に、ジェネラル・ワイバーンが喋ったよね?
「ナリユキさん。ああ言ってますけど、岩外しませんか?」
「お、おう」
最初のコメントを投稿しよう!