ワイバーン襲来

3/4
前へ
/1799ページ
次へ
 ダッシュで駆けつけると、ミクちゃんは俺達が討伐したワイバーンの倍ほどある巨大なワイバーンと戦っていた。スピードで翻弄しながら、圧倒的な剣技で切り付けている。ただ、驚くことに、ワイバーンはものともしていない様子だ。耐久力も相当なモンなんだろう。生半可は銃じゃ倒すことはできない――。  一つ、名案だ浮かんだ。人がいる村から50m程の距離は離れている。そして辺りは何もない草原。いける――。 「ミクちゃん! 何とかそいつの動きを止めることはできる!?」 「無理ですよ! このワイバーン動き回るんですもん!!」 「ワイバーンから一旦距離を置いてくれ!」  俺は仕方なく、手からL96を出し、2倍スコープを取り付ける。怯みやすいと言えば目だろ。それに俺には狙撃手のスキルが付いている。当たるはずだ。  火を吹いたり、尻尾をブン回したりなどで暴れまわっているジェネラル・ワイバーン。なかなか狙うことができない。そう思っていたとき、ミクちゃんが尻尾を切断した。 「ギアアアアアアア!」  その一瞬の怯みで、引き金を引いた。  目に直撃したようで、すんごいうるさい声で叫んでいやがる。そしてもう一発撃ち、ジェネラル・ワイバーンの視力を完全に奪った。 「ミクちゃん離れて!」  ミクちゃんはコクリと頷くと、俺はジェネラル・ワイバーンの上に向けて手を翳し巨大な岩をイメージした。  上空から出てきたのは高さ20m、横幅10mの巨大な岩。ジェネラル・ワイバーンは声を荒げながら岩の下敷きになった。作戦大成功だな。 「めちゃくちゃ荒業ですね」 「俺も思った。まあこれで討伐できると思うけど、流石にまだ生きていやがるな」 「重量も計算したんですか?」 「100トンくらいにしたけど。どうだろうな。岩山の重さなんかよく分からんし――そいやコイツで鑑定できるのか?」 「できますよ」 「成程ね」 名前:ランベリオン・カーネル 性別:♂ 種族:竜族 飛竜(ワイバーン)種:ジェネラル・ワイバーン 称号:飛竜(ワイバーン)の王 勲章:☆☆☆ パッシブスキル:鑑定士、熱無効、熱変動耐性、硬質化 アクティブスキル:地獄の炎弾(ヘル・フレイム)龍の咆哮(ドラゴン・ブレス)火炎放射(フレイム・バースト)灼熱の尾(バーニング・テール)人型化(ヒューマノイド) ユニークスキル:死の灰(デス・アッシュ) アルティメットスキル:地獄の火炎玉(ヘル・フレイムボール) 「え? 名前があるけど? んでもってめちゃくちゃ強そうなんだけど。よくこんなん簡単に倒せたな」 「確かにめちゃくちゃ強そうですね。あと、名前があるのも確かに驚きです。人型化(ヒューマノイド)もきになりますし」 「元々、名前ってあるものなの?」 「名前があるのは、珍しいですよ」 「助けてくれ」  あれ~。絶対に、ジェネラル・ワイバーンが喋ったよね?  「ナリユキさん。ああ言ってますけど、岩外しませんか?」 「お、おう」
/1799ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2462人が本棚に入れています
本棚に追加