経緯と今後

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「故に王国に呼ばれたのである。頼まれたことは闇の商人を突き止めてほしいとのことだった。その闇の商人という人物は、レイドラム・ゴールウォーズという人物だ。本当に不覚だったのだが、追っていくうちに、ある領域(テリトリー)に入った時に意識が朦朧とした。そして地面に倒れ込んだ。意識が薄れていく中で得た情報は、我の意識を飛ばしたのはレイドラムではなく、ベリトという男の可能性が高いという事だ。そもそも我が不意打ちとは言え、人間のスキルで無抵抗でやられる程ヤワじゃない。そこからは記憶乖離が酷く、あまり憶えていない。いつ、洗脳されたとかの情報は一切残っていない」 「そうでしたか。と、なるとベリトという男は何者ですか?」  確かに気になる。仮にもS級の魔物で☆3つ? どれくらい凄いのかマジあんまり理解できていないのだが。もしそうだとすると相当な手練れになる。凄い強い人間なのか? それとも、ランベリオンみたいに人型化(ヒューマノイド)できる魔物なのか――。 「我が考えるに同じ竜族か魔族、闇森妖精(ダークエルフ)族の3択だと考えておる。まあ人間という可能性も無くは無いが、限りなく可能性は低い。無くは無いと考えているのも、ナリユキ殿のような猛者(もさ)もいるわけなので完全に否定するわけではないが」 「ですが、何故我々の村を襲ったのでしょうか?」  一人の村人がそう質問すると、ランベリオンを目を瞑って真剣に考えている。仕方ない――。 「私が考えるに、この村の美味しい食料が、闇の商人からすると煙たいのではないのでしょうか? でもまあ、お金が欲しいだけなら、ワイバーンに襲わせるってのはよく分かりませんが。私が商人なら、この村の食料と取引しているルートを全て潰して、完全な独り占めにします」 「そうですな――」  村人が剣幕な表情で俯いている。それもそうだ。グァイアスに襲われるは、ワイバーンに襲われるはたまったもんじゃない。
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