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「我は、まだまだこの村が襲われる危険性があると思っている。勿論、我の話を聞いてその事態を危惧するのが必然といえよう。そこで、我の仲間達を、何頭かに警備をさせたいという提案なのだがいかがだろうか? 勿論、これは我が今回、うぬ等に多大な損害を与えしまったことの贖罪でもあるが、何より、悩んでいる人間を見捨てるのは我のポリシーに背く。いかがだろうか?」
「お気持ちはありがたいのですが、ワイバーンが何かしらの不備で、再び村を襲う可能性が無いとは言い切れないと思うのです」
「ふむ。ごもっともな意見ではある。ナリユキ殿、ミク殿。何か意見が欲しいのだが」
「ランベリオンは近隣の王国のギルドに知り合いがいないのか?」
「――いるな。確かに」
「ランベリオンが信頼できるギルドの知り合いに声をかけて、その信頼できる人の信頼できるギルドの人間を、この村に派遣させればいいだろう。勿論、護衛をしてくれるのだから、俺が割と広めの宿を出してやる」
「助かります」
「私は、そもそもの原因である、レイドラムの情報を集めて接触して問い詰める必要があると思いました。ですよねナリユキさん?」
いや、そんな笑顔で見られてもさ? 俺、そんな生産性が無さそうなことしたくないんだけど!? しかもベリトって奴ヤバそうだし。できれば関わりたくないのですが、ここで変な顔すると人でなしとか言われそう。ミクちゃんに思われるのは流石に嫌なんだけど――。
「そうだな。手を打つ必要はあるな」
「とりあえず今日は休もう。そして明日から復旧作業に移ります。家が無い方は申し訳ないですが、俺が出す宿で共同で過ごして下さい」
「そこまでして頂けるとはありがとうございます。グァイアスの討伐、ワイバーンの討伐。そして、村の復旧作業から何から何まで感謝しきれません」
「いえいえ。それと言ってなんですが、家を一軒建てていいですか? そこで今日は泊まります」
「勿論いいですとも」
「じゃあ、私もナリユキさんと同じ家に泊まります!」
「え、マジ?」
「マジです。え? なんか都合悪かったですか?」
「いや、別にいいけど――」
「やった!」
めちゃくちゃ喜んでいるんだけどミクちゃん。謎すぎる――。
「食事は村から提供します。その際はお呼びしますので是非同行願います。村の皆、それでよいな?」
勿論。と反論する人は誰もいなかった。そして、俺が家が無い人用の家を手から出して各自解散をした。俺とミクちゃん、そしてランベリオンは今日は一緒に寝泊まりすることとなる。
何でランベリオンもいるかって? 聞きたいことがあるから今日は同席してもらうのだ。明日は忙しいし、しばらくは家でゆっくりするか。まあ2階建てで、1階に大きめのお風呂でも作るか――。
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