2462人が本棚に入れています
本棚に追加
湖から1km程離れた場所にとりあえず降りてみた。地震とかってあるのかな? もしあったら津波に一瞬で飲み込まれてしまいそうなんだけど。
「さて、家を建てる前に、まずは木が邪魔だな」
「そうだな始めはとりあえずそんなに大きくなくていいや」
「どれくらいだ?」
「まあ、100坪くらい」
「分かった。じゃあ木をどけよう」
俺が大きめの手から斧を二つ出して、ミクちゃんにも渡そうとしたときだった。メリメリメリってすんごい音がする――。
「おいマジか――」
「す、凄い」
ランベリオンはワイバーンの姿のまま、飛びながら木をその強靭な脚で引っこ抜いていった。大根みたいに引っこ抜いているけど、抜いている木はランベリオンより高い木ばかり。すげー馬鹿力だなと感心させられる。
そんな要領で辺りの木をバカスカ抜いていくので、気付けば辺りは更地になっていた。
「引っこ抜いた木はどうする? 何か資源として置いておくか?」
「それ使って家建てられるのかな?」
「やってみましょうよ!」
で、イメージをして掌を向けて家を建てた訳だが、あら吃驚。引っこ抜いた木が一瞬で無くなっている。
「木が完全に無くなったぞ。恐らくそこにあった木を使ったようだな」
「凄いですね!」
「とりあえず中に入ろか」
で、俺も村で家を建てまくったお蔭で、脳の処理スピードが早くなったらしく、家具やらテーブルやら、キッチン用品やら、マットレスやら観葉植物やらを、全て一気に盛り込んだ。勿論、お風呂やトイレもある。ミクちゃんの部屋にはぬいぐるみなんかも置いたりした。だから、部屋を開けたときめちゃくちゃ喜んでくれたのだった。電化製品を置いてみるのも悪くないが、せっかくだし、ストーブとかではなく、暖炉にしてみた。でもエアコンは付けている。使うかどうか分からないけど。
ただ、今の状態では電気が無いので、風力発電の為、風車を作ったり、ソーラー発電の為、家の屋根にパネルを置いたりで、電気を使用することにした。ただ、建国をするって言っているので、規模をどんどん大きくしていきたい。
立地的には水にも恵まれているし、いざ、水を飲むなら無限に天然水が飲めるわけだし最高すぎる。つか水道水でも十分美味しいんだけどね。
「最高ですね!」
「一気にそれっぽくなったな」
ランベリオンは風車を見上げて感激していた。どうやら、電気などはスキルや魔物を使って供給しているのが常識なので、風力発電という発想はこの世界には無いらしい。確かに、そっちのほうが手っ取り早い気がするけど、どうせなら、この土地に付加価値を付けて、ゆくゆくは観光スポットにしたいと思っている。結局は風車を作った方が生産性は高いのだ。
「ナリユキ殿の国は産業革命が進みそうだな――くれぐれも、環境破壊ばかりするような事は止めてくれよ?」
「しないって。任せておけ。それじゃ次は仲間を教えてくれよ」
「そうだな」
再び、ランベリオンの背中に乗って、次はランベリオン達の棲み処に案内してもらうことになった。
最初のコメントを投稿しよう!