いざ、カーネル王国

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いざ、カーネル王国

 次の日の朝。8時までには用意をしてカーネル王国に向かっていた。鉱石はまあ置いてきた。いい職人がいるとは言われたけど、基本的に荷物は少ない方がいい。俺が持っているのは、金貨一枚入っている巾着だけ。  マーズベル山脈を越えて数キロ飛ぶと、カーネル王国に入るらしい。しかし、王都はそこから300km以上離れたところにある。 「ナリユキ殿」 「なんだ?」 「我、もっと速く飛びたいのだが」 「いや、気持ちは分かるけど、我慢してくれよ。俺落ちるじゃん」 「ふむ。早く何かしらのスキルを身に付けてほしいものだ。寧ろ、ミク殿のように飛行スキルがあれば移動は楽だぞ? 何故か分からんが一緒に乗っているが」 「いいじゃないですか。楽なんですから」 「――ぐうの音も出ないな。まあもうすぐだし、辛抱だな」 「ゴーグルを付けていて、ベルトも付けているいるからな。まあ何か考えておくよ」  そんな会話をしていると王都が見えてきた。今まで見ていたのは田園だったり、木造の民家が点在していたりと、まあ一言でまとめると田舎の風景だ。けれども王都は違う。魔物対策であろう。地平線には壁が広がっている。その中がどうやら王都となっているらしい。 「あの壁結構高いな。あれがずっと広がっているのか」 「そうだ。長さはおよそ250kmらしい。そして壁の高さは10mだ」 「250kmって凄いですね――」 「我も初めて見たときは驚いた。さあ着くぞ、しっかり持っていてくれよ」  俺はランベリオンを、ミクちゃんは俺の腰をしっかり持ち降下に備えた。近くにワイバーンが飛んでいるのに、門番は明らかにスルー。それどころか、一人の門番は会釈を。もう一人は手を振っていやがる。  着陸して俺と、ミクちゃんが降りたのを確認するなり、ランベリオンは人型化(ヒューマノイド)になった。門の方に近付いていくと、二人の門番もこちらに歩み寄ってきた。手を振っていたのが若い男性で、会釈をしていたのは中年の男性だった。 「ランベリオン様、お久しぶりですね。本日はどのような用件でしたか?」 「久しいのビータ。今日はギルドに用があって来た」 「そうでしたか。どうぞお通り下さい。因みに一緒にいる方は?」 「この2人は我の友だ。男性がナリユキ・タテワキ殿。女性がミク・アサギ殿だ」 「私はビータと申します。宜しくお願い致します」 「自分はケイトと申します。宜しくお願いします!」  そう紹介された後、ランベリオン以外の皆は一礼をした。
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