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悲鳴と共に当主の首が僕の足元に転がる。2人の娘を抱えて部屋の隅へと逃げる妻。僕は3人にゆっくりと近づいた。
「来ないで……!!来ないでやめて!!娘だけは……!娘だけは助けて!!」
懇願したって、無駄だよ。
僕の仕事はこれなんだもん。仕方ないよね??
そうだよね??
僕は、妻とその娘の首を3つ同時に掻き切った。床には赤黒い血と4つの首が転がっている。
流れるクラシック音楽が心を穏やかにさせた。
さてと。これで仕事は終わり。さっさと家に帰らなきゃ。
侵入した窓から出ようと思い、ゆっくりとした足取りで窓の方から向かっていく。しかしその途中、部屋の外から何かの気配を背中に感じた。
「だれ………??出てきたら命は助けるよ」
大抵のやつはこれで出てくる。出てきたらさっさと殺せばいい。
僕の言葉を聞いて誰かが部屋の外から思い扉を開ける。赤黒い湖に見向きもせず、そいつはこちらへ裸足で向かってくる。
後ろを振り返り、僕はそいつに向かってワイヤーを飛ばした。
はずだった。
真っ白な雪のような髪色にルビーのように鮮やかな赤い瞳をしたその少女。
なんて綺麗なんだろう。
僕は、その少女に見とれてしまい、ワイヤーを無意識で彼女から打点をずらした。打点かズレたワイヤーは、僕の手から離れてゆったりと赤黒い湖の中に落ちていく。
僕よりも少し背の小さい彼女は、赤黒く染まった僕の手を握り、泣きながらこういった。
「殺してくれて…ありがとう!!」
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