殺してくれて、ありがとう。

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「リ、リ、リアムは……。今の……しごと?好き?」 「えっ……??」 今の仕事が好き……??今まで好きっていう感情は思ったことがなかった。 やらなきゃいけない。 やらねばやらないこと そう思っていた。 「好き…じゃない??」 「分からない…。やらなきゃいけないと思ってたから好きって感情がない」 「じゃ、じゃ……。好きじゃ、ない、なら……、ヴィー…と、一緒に……ずっと、いて欲しい」 「え?……ずっと??」 彼女は、頬を少し赤らめながら大きく頷いた。ベットから降りて、本棚へと向かった彼女は1番上の段からあの中でも最も古いであろう本をベットに置いた。 そして、とあるページを開いた。 見て、と、彼女は1枚の写真を指さした。 「これは……?」 「こ…こは、遠い……く、国。文字の……国……」 文字の国。あの本のことだろう。「JAPAN」と書かれたあの本。確かあの本には文字以外にもその国について書かれていた。 「こ、こ、こ、ここは、安全……。みんな、優しい国。だから、一緒に……い、いこ?? ヴィーは、ヴィー……は、 リア…ムと…一緒にいたい リアムに…あ、ありがとう いっぱい、い……いっぱい伝えたい」
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