殺してくれて、ありがとう。

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「No.5。仕事の依頼だ」 父さんから依頼の紙を渡され、いつものようにそれに目を通した。 ウィズリー家。この辺りじゃ名の知れた地主の1人。主に服飾産業で生計を立てている。街のあちこちには、当主のウィズリー トーマスが作った紳士服店が数多く立ち並んでいる。 表向きは家族想いで孤児に施しを与える善人な人間として名が知られているが……裏では孤児を多く引き取り、自分の欲求の為の道具として使い、飽きれば捨てている。 ただのゴミクズ。 「みんな…殺していいの…?」 「あぁ。使用人も含めてウィズリー家の主人とその妻、''2人娘''を殺せという命令だ。」 「わかった」 どんな理由があって、どうしてこの人たちを殺さないといけないのか。そんなことは関係ない。 父さんに言われたから。 ただそれだけ。僕にはそれだけの理由で十分だった。
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