第四話 Runaway girl

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第四話 Runaway girl

「で、キミは・・・誰?」 ジョシュアは急に現れた少女に向けて問いかける。 「悪党にっ!!名乗る名前はっ!!ありませんっ!!!」 少女はそういって自分の身の丈以上の槍をジョシュアに向けて襲い掛かる。 「あ、悪党!?何のことだよっ!!!」 「とぼけないで下さい!!!この!!大悪党!!大人しくお縄につきなさい」 襲われるジョシュアと襲う少女。 「・・・なかなかやるなあの子」 「ですね・・・あの槍さばき、なかなかの腕前ですね・・」 「なんで落ち着いてるんですか!?は、はやくジョッシュを助けないと!!」 落ち着きはらう二人に対して慌てるフィリア。 「落ち着けフィリア、あの程度ならジョッシュの敵じゃない」 「え?」 「たしかにいい動きですが、まだまだですね・・」 「動きに無駄が多いな。槍の特性をまだ理解してない」 「えぇ・・・たしかに・・」 アヤとリオスは冷静に状況を把握する。 「そんなこと言ってないで!!早く助けろよ!!!」 耐えかねたジョシュアはリオスの方に顔を向け、そう叫ぶ。 「・・・仕方ないな・・」 リオスはそう言うと少女とジョシュアの間に割って入る。 「そこまでだ!」 リオスは少女の槍を刀で受けると、それを弾く。 「なっ!?」 少女はとっさのことに対応できず、バランスを崩す。 「大丈夫か?」 ジョシュアは少女に手を差し伸べる。 「あ、悪党に心配されたくありません!!!」 「・・・なぁ・・・・俺何もしてないぞ?人違いじゃないのか?」 ジョシュアはそう言って、少女の手を握り、体を起こす。 「そんなわけありません!!確かに!!あなたです!!」 少女は腰に下げていたカバンから一枚の紙を取り出す。 そこには似顔絵が描かれていた。 「えぇーっとなになに・・・」 ジョシュアは少女から紙を受け取り、それを見る。 そこには ジョシュアとは似ても似つかぬ、おじさんの絵が描かれていた。 「・・・これ、俺じゃないね」 「なっ!?そんなわけありません!!髪型が一緒です!!」 「・・・この絵の人ハゲてるよね?俺ハゲてないよね?」 「・・・・」 「・・・・」 黙り込む二人。 笑いをこらえるフィリアとリオスとアヤ。 「ご、ご、ごめんなさぁぁぁぁぁぁい!!!」 呆れかえるジョシュアと笑いをこらえきれなかった三人の前で少女は叫ぶのだった。 ・・・・・・・・ 「じゃぁ君はそいつを探して旅をしてるのかい?」 「はい・・・」 ジョシュアたちは少女から詳しい話を聞いていた。 少女の名前はサクラ・ヒラザカといい、東方の国から来たらしい。 少女は一族を滅ぼした傭兵の男を追ってこの地に来たが、まったく手掛かりがなく、諦めかけていたが、そんなときその男によく似た(実際は全く似ていない)男、つまりジョシュアを見つけて、襲ったとのことだった。 「ごめんなさい・・・私、昔から勘違いが多くて・・」 「・・・勘違いにも限度があるけどね・・・全く似てないし」 「クッ!!」 「おい、リオスにぃ!!」 「す、すまん・・・気にするな」 リオスはいまだに笑いをこらえるのに必死だった。 「ん、んっ!! で?これからどうするんだい?」 ジョシュアは気を取り直して、サクラに問いかける。 「はい・・・またその男を探します・・・その男を倒さない限り私の旅は終わりません・・」 サクラはそういうと起ちあがりジョシュアたちに一礼する。 「この度は多大な迷惑をかけてすいませんでした!・・・では私はこれで・・」 サクラはそういって歩き出す。 「ちょっとまって?」 フィリアがサクラを呼び止める。 「ねぇ・・・もしよかったら私たちと一緒に行かないかな?サクラちゃん」 「え?」 「私たちこれからハインラット中立国に向かってるんだけど・・・一緒に行かない?」 「そうだなぁまた関係ないやつ襲っても困るしな。それなら俺たちと一緒にいたほうがいいんじゃないか?」 フィリアの提案にジョシュアも賛成する。 「ですが・・・私は・・」 サクラはすこし戸惑う。 「一人で探すより、みんなで探した方が効率はいいぞ?」 「えぇ・・・リオス様の言う通りです」 リオスとアヤもそれに賛同する。 「でも・・・でも・・・」 サクラは少し涙を浮かべながら戸惑い続けている。 そんなサクラをフィリアは優しく抱きしめる。 「辛かったよね?ずっと一人で旅してきたんだもんね?」 フィリアはサクラを抱きしめながら頭を優しく撫でる。 「う、うぅ・・うぅぅ・・・」 「もう、無理しなくていいんだよ?これからは私たちと一緒に行こう?」 「うわぁぁぁぁぁん!!!」 フィリアの優しい言葉にサクラは泣きじゃくる。 まるで、母に甘える子供のように。 サクラは泣き続ける、フィリアの胸の中で。 これまでの苦しみをすべて洗い流すように・・・。 「それではごゆっくりどうぞ~」 そういって宿屋の主人は部屋から出ていく。 「ひっさびさの宿屋だぁー!!」 ジョシュアはそう言ってベッドに飛び込む。 「うん!そうだねジョッシュ」 フィリアはそんなジョシュアの姿を微笑みながら見守る。 「恥ずかしい奴だな・・・な?アヤ」 「え!?は、はい!!そ、そうですね!!」 (私もやってみたいなぁ・・・) アヤはそう思いつつも、リオスの言葉に賛同する。 「うわぁ・・・すごい・・・野宿じゃないの初めてだぁ・・」 サクラはフィリアの手を握りながらそう呟く。 結局サクラはジョシュアたちと共に旅をすることにした。 サクラにとっては一人でた 「で、キミは・・・誰?」 ジョシュアは急に現れた少女に向けて問いかける。 「悪党にっ!!名乗る名前はっ!!ありませんっ!!!」 少女はそういって自分の身の丈以上の槍をジョシュアに向けて襲い掛かる。 「あ、悪党!?何のことだよっ!!!」 「とぼけないで下さい!!!この!!大悪党!!大人しくお縄につきなさい」 襲われるジョシュアと襲う少女。 「・・・なかなかやるなあの子」 「ですね・・・あの槍さばき、なかなかの腕前ですね・・」 「なんで落ち着いてるんですか!?は、はやくジョッシュを助けないと!!」 落ち着きはらう二人に対して慌てるフィリア。 「落ち着けフィリア、あの程度ならジョッシュの敵じゃない」 「え?」 「たしかにいい動きですが、まだまだですね・・」 「動きに無駄が多いな。槍の特性をまだ理解してない」 「えぇ・・・たしかに・・」 アヤとリオスは冷静に状況を把握する。 「そんなこと言ってないで!!早く助けろよ!!!」 耐えかねたジョシュアはリオスの方に顔を向け、そう叫ぶ。 「・・・仕方ないな・・」 リオスはそう言うと少女とジョシュアの間に割って入る。 「そこまでだ!」 リオスは少女の槍を刀で受けると、それを弾く。 「なっ!?」 少女はとっさのことに対応できず、バランスを崩す。 「大丈夫か?」 ジョシュアは少女に手を差し伸べる。 「あ、悪党に心配されたくありません!!!」 「・・・なぁ・・・・俺何もしてないぞ?人違いじゃないのか?」 ジョシュアはそう言って、少女の手を握り、体を起こす。 「そんなわけありません!!確かに!!あなたです!!」 少女は腰に下げていたカバンから一枚の紙を取り出す。 そこには似顔絵が描かれていた。 「えぇーっとなになに・・・」 ジョシュアは少女から紙を受け取り、それを見る。 そこには ジョシュアとは似ても似つかぬ、おじさんの絵が描かれていた。 「・・・これ、俺じゃないね」 「なっ!?そんなわけありません!!髪型が一緒です!!」 「・・・この絵の人ハゲてるよね?俺ハゲてないよね?」 「・・・・」 「・・・・」 黙り込む二人。 笑いをこらえるフィリアとリオスとアヤ。 「ご、ご、ごめんなさぁぁぁぁぁぁい!!!」 呆れかえるジョシュアと笑いをこらえきれなかった三人の前で少女は叫ぶのだった。 ・・・・・・・・ 「じゃぁ君はそいつを探して旅をしてるのかい?」 「はい・・・」 ジョシュアたちは少女から詳しい話を聞いていた。 少女の名前はサクラ・ヒラザカといい、東方の国から来たらしい。 少女は一族を滅ぼした傭兵の男を追ってこの地に来たが、まったく手掛かりがなく、諦めかけていたが、そんなときその男によく似た(実際は全く似ていない)男、つまりジョシュアを見つけて、襲ったとのことだった。 「ごめんなさい・・・私、昔から勘違いが多くて・・」 「・・・勘違いにも限度があるけどね・・・全く似てないし」 「クッ!!」 「おい、リオスにぃ!!」 「す、すまん・・・気にするな」 リオスはいまだに笑いをこらえるのに必死だった。 「ん、んっ!! で?これからどうするんだい?」 ジョシュアは気を取り直して、サクラに問いかける。 「はい・・・またその男を探します・・・その男を倒さない限り私の旅は終わりません・・」 サクラはそういうと起ちあがりジョシュアたちに一礼する。 「この度は多大な迷惑をかけてすいませんでした!・・・では私はこれで・・」 サクラはそういって歩き出す。 「ちょっとまって?」 フィリアがサクラを呼び止める。 「ねぇ・・・もしよかったら私たちと一緒に行かないかな?サクラちゃん」 「え?」 「私たちこれからハインラット中立国に向かってるんだけど・・・一緒に行かない?」 「そうだなぁまた関係ないやつ襲っても困るしな。それなら俺たちと一緒にいたほうがいいんじゃないか?」 フィリアの提案にジョシュアも賛成する。 「ですが・・・私は・・」 サクラはすこし戸惑う。 「一人で探すより、みんなで探した方が効率はいいぞ?」 「えぇ・・・リオス様の言う通りです」 リオスとアヤもそれに賛同する。 「でも・・・でも・・・」 サクラは少し涙を浮かべながら戸惑い続けている。 そんなサクラをフィリアは優しく抱きしめる。 「辛かったよね?ずっと一人で旅してきたんだもんね?」 フィリアはサクラを抱きしめながら頭を優しく撫でる。 「う、うぅ・・うぅぅ・・・」 「もう、無理しなくていいんだよ?これからは私たちと一緒に行こう?」 「うわぁぁぁぁぁん!!!」 フィリアの優しい言葉にサクラは泣きじゃくる。 まるで、母に甘える子供のように。 サクラは泣き続ける、フィリアの胸の中で。 これまでの苦しみをすべて洗い流すように・・・。 「それではごゆっくりどうぞ~」 そういって宿屋の主人は部屋から出ていく。 「ひっさびさの宿屋だぁー!!」 ジョシュアはそう言ってベッドに飛び込む。 「うん!そうだねジョッシュ」 フィリアはそんなジョシュアの姿を微笑みながら見守る。 「恥ずかしい奴だな・・・な?アヤ」 「え!?は、はい!!そ、そうですね!!」 (私もやってみたいなぁ・・・) アヤはそう思いつつも、リオスの言葉に賛同する。 「うわぁ・・・すごい・・・野宿じゃないの初めてだぁ・・」 サクラはフィリアの手を握りながらそう呟く。 結局サクラはジョシュアたちと共に旅をすることにした。 サクラは旅に出て初めての宿にえらく興奮している。 「とりあえず、今日は飯食って寝よう!!」 ジョシュアはベッドに横になりながらフィリアたちに提案する。 「そうだねぇ・・・久しぶりにゆっくりしたいね」 フィリアもそれに賛同する。 「まぁ・・・そうだな・・・それがいいだろう」 「えぇ私も賛成です」 「あ、私もぉー!!」 リオスたちも賛成し、四人は食事をし、早めに眠りにつくのだった。 「どうだ?アヤ・・・例の情報は集まったか?」 ジョシュアたちが眠りにつくと同時に再びリオスとアヤは二人で何やら話し合う。 「この村についてからずっと情報を集めましたが、特に重大な情報はありませんでした・・」 「そうか・・・王国については?」 「そちらについては少しだけですが集まりました」 「どんな?」 「現国王ノーラインが兵を集めているとのことです」 「なに?なぜ今兵を集める?」 「理由はわかりませんが、かなりの数の兵を集めているとのことです・・・まるで戦争でもするかのような数だと商人が言っておりました」 「・・・そうか」 「それと・・・」 「なんだ?」 「フィリア様の抹殺のために、傭兵を雇ったらしいです」 「傭兵だと?」 「えぇ・・・これはまだ、確実な情報ではありませんが・・・どうやら暗殺専門の傭兵を雇ったとのことです」 「厄介だな・・・」 「このことは・・・ジョシュア様には?」 「言わないでおこう・・・あいつに言ったらどうせ慌てるだけだ」 そういってリオスは眠りにつくジョシュアとフィリアに顔を向ける。 「・・・・最後の希望か・・・何としても守らなくてはな」 「えぇ・・・そのために我々はここに居るのですから・・・」 二人はそう言って、ろうそくの明かりを消す。 「ジョッシュ・・・お前とフィリアは必ず守る・・・お前たち二人がこの世界の唯一の希望だからな・・・」 リオスはそう言って刀を手に眠りにつく。 (希望の巫女と最後の王か・・・皮肉だな・・・師匠・・) リオスは心の中でマルガスにそう告げる。 リオスは思い出す。 かつてマルガスから言われた 「リオス、いずれジョシュアとフィリアは世界と戦う宿命を背負う・・・守ってくれるか?あの二人を・・」 という言葉を。 (・・・わかってますよ、師匠・・・俺の命に代えても二人は守ってみせます) リオスは己に言い聞かせるように拳を強く握った。 To be continued
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